コースを知れば駅伝がもっと面白くなる!
お正月の風物詩とも言える箱根駅伝。実は毎年同じコースを走るわけではないと知っていましたか?コースの特徴を知れば、箱根駅伝がさらに面白くなりますよ。
コースは毎年同じじゃない?
箱根駅伝は正式名称を「東京箱根往復大学駅伝競走」といいます。その名の通り東京から箱根間を10の区間に分け、往復するコースです。
往路は大手町からスタートし、湘南の海沿いを通り小田原へ抜け、箱根の山を登ります。復路は箱根から大手町へ向かいます。
1月2日は往路、3日は復路と二日間にかけて行われる大規模な競技です。ただし、箱根駅伝のコースは必ずしも毎年同じではありません。道路工事や自然災害の影響で変更される場合もあります。
2015年には例年コースとして使われていた箱根国道の函嶺洞門が通行禁止となる代わりに、新設されたバイパスがコースに組み込まれました。また、2017年には4区と5区の距離が変更となりました。
5区の選手の負担を軽減する目的で、5区の距離を短くする代わりに、4区の距離が長くなっています。安全上の問題や交通状況の影響だけでなくこのような理由で変更が行われることもあるんですね。
往路の見どころは駅伝名物山登り
区間ごとの特徴や見どころは、箱根駅伝を鑑賞するにあたり絶対に押さえておきたいポイントです。
まずは往路の特徴を紹介します。
スタート地点の大手町から神奈川県の鶴見中継所までの区間です。高低差の少ない平坦な区間ですが、レースの流れを左右する重要な区間です。
各校の準エース級ランナーやスピードランナーが多く投入されます。
鶴見中継所から戸塚中継所までの区間で「花の2区」とも呼ばれています。各校のエース級ランナーが投入されることの
多い区間で、選手の精神力やランナーとしての能力が問われます。
戸塚中継所から平塚中継所までの区間です。海沿いの区間なので海風の影響を受けやすく、強い向かい風が吹くこともあります。そのため、各校の実力者が多く揃う区間でもあります。
全区間最短距離の区間ですが、この先に待ち構える登りに備える重要な区間です。
この区間から駅伝名物である山登りが始まります。標高差は800mにも及ぶ過酷なコースです。優勝を左右する、往路の中でももっとも重要な区間です。
熾烈なシード権争いが繰り広げられる復路
翌日の復路は箱根から始まります。復路は朝8時から始まり、山中では路面の凍結にも注意が必要です。
最初の4kmは登りで始まり、その先は一気に下り坂です。冷え込みが厳しいうえに脚への負担も大きく、選手の能力はもちろん、各校の戦略が大きな鍵を握ります。
10区間中最も走りやすいと言われている区間です。しかし、山から吹き下ろす風や海沿いに入った時に吹き付ける海風が戦況を大きく左右します。
優勝争い、シード争いが激化する区間です。前半は海風の影響も大きく、また強い日差しも選手の体力を削ります。
全体的に下り坂が続き、スピードのコントロールが難しい区間です。ここから繰り上げスタートが始まり、1位の大学から20分以上遅れるとタスキをつなげなくなってしまいます。
往路のスタート地点である大手町へ戻る最終区間です。箱根の山中に比べると気温が高く、優勝争いのプレッシャーも選手の走りに大きく影響します。
箱根駅伝ではどの区間もそれぞれ特徴があり、ドラマティックな展開から目が離せません。